トレント利用で88万円の示談金での解決は妥当なの?弁護士が解説

☑ トレント利用で88万円を支払えと通知が来たが、払わないといけないのか
☑ 88万円を払えばトレント問題は解決になるの?
☑ 88万円から減額はできないのか
☑ 1作品しかダウンロードしていないのに88万円も払わないといけないのか

以上のような点が疑問ではありませんか。

昨今、トレントを利用して、アダルトビデオを違法ダウンロード・アップロードしたとして、アダルトビデオの制作会社側代理人弁護士から「2週間以内に88万円を支払え」という通知を受け取った方からの相談が増えております。

通知書の中には、「2週間以内に連絡がないと、法的手段を取らざるを得ない」なども記載してあるので不安かと思います。

もっとも、2週間以内にすぐに示談しなくともすぐに法的手段を取られるわけではありません。

この記事では、通知書の内容の解説、88万円を支払った場合の解決の範囲、減額交渉の可能性、当事務所が推奨する対応方針、について解説しています。

まずは、落ち着いて情報収集を行い、適切に対応するようにしましょう。

法律事務所からの通知書の内容についての解説

この章では、お手元に届いている通知書の内容について解説します。

弁護士から通知が来た経緯

トレント問題は、通常以下のような流れで進んでいます。

①制作会社側が違法アップロードを確認

②IPアドレスを元にプロバイダに対して開示請求

③プロバイダから契約者に対して「発信者情報開示に係る意見照会書」を送付

④プロバイダから制作会社側に対して情報開示

⑤制作会社側から契約者に対して損害賠償請求通知(今ここ)

ご自宅に通知書が送られてきたということは、上記の⑤の段階に当たります。

ですので、この段階ではプロバイダから相手方代理人弁護士に既に情報開示されてしまっており、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどが知られてしまっている状況です。

通知書が送られてきたことによる法的効果

弁護士から通知書が送られてくると、法的に記載内容に従う義務があるのではないか、無視すると強制執行されたり、自宅に押し掛けてくるのではないか、と思われる方もいらっしゃいます。

もっとも、弁護士からの通知はあくまで「手紙」のようなものであり、法的な効果(義務)を発生させるものではありません。

ですので、こちらに言い分があればそれに従う「義務」はありませんし、いきなり強制執行されることも、自宅に押し掛けてくることもありません。

いきなり何か起こるわけではありませんので、まずは落ち着いて対処法を検討するようにしましょう。

88万円を支払った場合の解決の範囲

今回、88万円を支払えばトレント問題を全て解決できると思って、すぐに88万円を用意して支払おうと考えている方がいらっしゃるかもしれません。

もっとも、88万円を支払っただけでは全てが解決するわけではありません。

通知書にも記載しているように、「依頼会社の全著作物(包括)を対象として金88万円」での解決にすぎません。

ですので、今回損害賠償請求してきている会社の件については88万円を支払えば全て解決できるかもしれませんが、他の会社から追加で同様の損害賠償請求が来る可能性があります。

具体的にはA社に88万円を支払えばA社の件は全て解決できますが、B社やC社からは追加で88万円の請求が来る可能性があります。

(請求してきた全ての会社に88万円を支払える余裕のある方は、88万円ですぐに示談してしまってもいいかもしれませんが・・・)

あくまで、「88万円支払って解決できるのは今回請求してきた会社の件のみ」ということは頭に入れておきましょう。

88万円からの減額交渉の可能性

88万円の通知を受け取った方から「88万円から減額交渉はできないのか」と質問を受けることがあります。

もっとも、「88万円からの減額交渉は難しい」のが正直なところです。

今回の通知書で提示されている88万円の示談の内容としては「依頼会社の全著作物」を対象とする示談で88万円とされています。

1,2作品だけで88万円であれば高額ですが、100作品、200作品でも88万円で解決可能な提案となっています。

仮に200作品が対象だとすると、88万円÷200作品=4400円(1作品あたり)となり、裁判所の認定する賠償額と比べてもかなり低額な示談内容です。

つまり、「88万円の提案が高い」というよりは、「88万円以外の選択肢が与えられていない」のが問題かと思われます。

ですので、「依頼会社の全著作物(包括)を対象として金88万円」そのものの減額交渉ではなく、個別作品ごとの示談の可能性、個別作品ごとの示談金、について交渉すべきかと思われます。

当事務所が推奨する対応方針

以上のことから、当事務所では「88万円を支払ってすぐに示談する方針」は推奨しておりません。

損害賠償請求の通知が届いたとしてもいったん示談を保留にして、開示請求がある程度出そろってから全体としてどのように示談するか検討するという方針、を推奨しています。

前提として、制作会社側からの開示請求には、プロバイダのログ保存期間という期限があります。

一般的には、ログ保存期間は対象の通信から半年から2年程度と言われています。

例えば、ログ保存期間が半年のプロバイダの場合には、最後にトレントを利用してから半年(+α)が経つと、それ以降は開示請求されなくなります
(厳密には、制作会社側が開示請求しても、プロバイダがログが残っていないとの理由で開示拒否することになります。記録が残っていないので裁判されても同じことです。)

そして、それまでに届いている開示請求の作品数や制作会社数をもとに、どういった方針で示談するのかを検討することになります。

個別示談の可否の交渉や、包括的示談にするかの検討、示談金を支払う原資を貯めてもらうためにも示談保留を推奨しています。

メリットとしては、ログ保存期間経過を待ってから方針を決定するので追加請求などはなくなり抜本的な解決が可能となる点で、デメリットは解決までにかなりの時間がかかってしまう点となります。

なお、弁護士に依頼せずに示談を保留にする方針だと、①示談金が増額される可能性がある、②いきなり裁判や刑事告訴されるリスクが高くなる、③しつこく電話や書面で督促される、という点からオススメしておりません。

トレント問題の弁護士費用

法律事務所Lapinのトレント問題に関する費用体系は以下の通りです。

着手金の分割払い(月額三万円以上)にも応じております。

相談料初回相談料無料
着手金20万円(税込22万円)
成功報酬10万円(税込11万円)

※成功報酬には時効等により請求を諦めさせた場合も含みます。
契約の単位は「制作会社の数」によって決まります。同一の制作会社からの追加の請求であれば、同一の契約内で追加費用無しで対応させていただきます。
(例:A社から3作品の開示請求が来た➡制作会社数は1つですので、1つの契約で対応させていただきます。
   A社から1作品の開示請求が来た後に、B社からも1作品の開示請求が来た➡制作会社数は2つですので、契約も2つ必要になります)
同一制作会社の追加対応の期限は設けておりません。1作品について解決後、数年経ってから追加で開示請求が来た場合も、同一制作会社なら追加弁護士費用はいただきません。

2社目以降について

相談料初回相談料無料
着手金15万円(税込16万5000円)
成功報酬なし

※既に1社目をご依頼いただいている方(ご依頼いただいていた方)の追加依頼の場合の費用になります。
※3社目が来たタイミングで「おまとめプラン」への変更をお勧めしております。

複数社への対応を依頼希望する方(おまとめプラン)

相談料初回相談料無料
着手金60万円(税込66万円)
成功報酬なし

※制作会社数に関わらず契約後2年以内のトレントに関する意見照会書への対応、制作会社側との示談交渉をご依頼できるおまとめプランになります。
※通常の契約からおまとめプランに変更する場合には、既払い着手金は66万円の弁護士費用に充当させていただきます。
※契約後2年以内に開示請求が来た制作会社については、2年経過後に追加開示請求が来た場合でも追加弁護士費用なしで対応させていただきます。
※契約後2年以降に初めて開示請求が来た制作会社については、別途契約を要し、追加弁護士費用がかかります。

訴訟対応

相談料初回相談料無料
着手金30万円(税込33万円)
成功報酬経済的利益の15%(税込16.5%)

※経済的利益とは、相手から主張されている賠償額と最終的に認められた金額との差額のことをいいます。
 (一部請求の「訴訟物の額」のことではありません。)
※交渉段階から依頼している方については、既払い分の着手金分は減額致します。
※1社ごとに着手金・報酬金がかかります。「1つの裁判毎に」ではありません。

※なお、制作会社側へ支払う示談金や損害賠償金は別途かかります。

投稿者プロフィール

弁護士 河井浩志
弁護士 河井浩志
法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており依頼者保護のために尽力している。
トレント問題の解決に精通しており、多数の解決実績がある。